★概要
このゲームは、源氏物語を題材にしたエロゲーで、原作の物語性や多彩なキャラクター達による群像劇を踏襲しつつ、現代のユーザーの皆様にお楽しみいただけるよう、今風にアレンジを加えております。原作の主人公、光源氏は平安時代の天皇の皇子として生まれるのですが、その端正な外見や多彩な才能から、当時の貴族社会で活躍していき、そこで数々の女性たちと恋愛を果たしていく──そういった内容ですが、この女性たちとの恋愛部分に、より深く、よりコミカルに新しい解釈を加えていったのが本作といえます。
★特徴
(1)本作は、前作「夢の浮橋〜新釈源氏物語〜空蝉・葵の上・花散里編」の続編として、「夢の浮橋〜新釈源氏物語〜」シリーズ第二弾としてリリースいたしました。前作のキャラクターを引き継ぎつつ、ヒロインごとの連作短編方式を採用していることから、前作をプレイしていない方でも本作からお楽しみいただけるようになっております。もっとも、今回は前作になかった多数の要素を導入したいとの思いから、全面的にパワーアップした要素が盛り沢山です。
(2)フルボイス
ゲームとしてのアピールポイントは、やはり前作にはなかったフルボイスです。今回主要30キャラクターに関して、すべてボイスを導入させていただきました。シナリオはゲーム内に4つございますが、どれを選択しても、最後までボイス付きでプレイいただけるようになっております(一部修正・追加パッチの適用が必要)。
ボイス導入にあたり、声優で活躍されていらっしゃる方や、ネット上で歌い手として人気の方を中心に、計19名の方に参加いただきました。19名、合計7000以上のボイスを一挙に収録したゲームは、同人オリジナルゲームとしては、あまり例のない規模ではないかと思います。また、歌い手さんの多くは、ニコニコ動画などのネットメディアで活躍されている方です。そのため、ユーザーの方の中には、「このボイスの人、歌で聞いたことがある」といった印象をいただかれる方もいらっしゃると思います。そういった点から、今回これだけ多くのキャラクターが出ているにも関わらず、キャラクターが多すぎて混乱するといったことはなく、おおむね好評ですね。同人ゲームとしても、他の作品にない面白さを出すことを心がけました。
(3)シナリオ
メインヒロイン3名+ファンディスク的シナリオの合計4シナリオを用意しております。本作には、他の堂ジャンル作品に通常用意されている共通パートがございません。これは、原作が主人公である光源氏が生涯を通して数々のヒロイン達との逢瀬を遂げていく、という設定があるためで、ヒロイン達との出会いが時系列的に並行しないためです。あえてその設定を踏襲することで、主人公がその時の齢、立場や地位によってどんな悲哀や困難に出会っていたのか、またそれをヒロイン達がどう関わっていったのかを描き出すことにしています。共通パートがない分、個別のヒロインルートを前作以上のボリュームで用意しておりますので、シナリオごとの特色を楽しみながらプレイすることができます。
(※シナリオごとのあらすじ、みどころは後述させていただきます)
(4)イラスト
前作から非常に好評を得ている翠燕氏の原画を中心として、今回は絵師さん4名にキャラデザインを担当してもらいました。シナリオごとにキャラクターデザインや原画を分けているわけではなく、各シナリオにそれぞれのキャラクターが一緒に登場しますが、どのシナリオをプレイしてもそれぞれのキャラクターたちが可愛らしく、調和して描かれている姿がご覧いただけるかと思います。イベントCGやOP/EDムービー、Hシーンにいたるまで、これだけ幅を出しておりますが、全体の世界観はうまく統一されています。当時の美麗な文化と現代のポップなテイストの融合は、絵師さん達のチームワークと力量によって、達し得た部分でしょう。どのイラストも原作の良いところを引き出しつつ、このゲームオリジナルなアレンジをおおいに取り入れておりますので、ゲーム起動から最後まで、この独自な世界を堪能できるかと思います。
(5)ムービー・主題歌
ゲーム起動時のオープニングムービー、シナリオクリア時のエンディングムービーをご用意しました。OPは作詞と歌を綾菓さん、作曲をsetzerさんに、EDの作曲はBGMを担当するszakさんに、そして両ムービーの制作を龍花さんに……いずれも方も各方面では著名な方で、豪華制作陣でお送りしております。ムービーや主題歌は作品の入り口と出口にあることから、作品の世界観を知るためには重要な要素だと思いますが、和の伝統とポップなテイストを魅せることが出来たと思います。何度でも見て欲しい、そんな内容です。エンディングムービーは複数ございますので、すべて見てほしいと思います。
★各編(若紫編・夕顔編・末摘花編とファンディスク的シナリオのきのかみけ編)のあらすじ
・若紫編
源氏は夕顔との恋愛ののち、病にかかり北山というところへ療養に行く。療養の折にみつけた、とある僧の住処へ立ち寄ると、そこには一人の少女と祖母である尼がいた。
少女の姿に、自分の理想の人と思い慕っている女性・藤壺の姿を見てとった源氏は、少女に惹かれていく。そして少女と尼との出会いを通じて、その思いは高まっていき……。
・夕顔編
十七歳の夏、光源氏は年上の未亡人、六条御息所と愛を語らう日々を過ごしていた。
上品で教養も高く、美しい六条に源氏は惹かれ、六条も未亡人ながら源氏のことを本気で一人の男として愛するようになる。
だが、人一倍気位が高く、一筋に自分を思う六条の愛の重さを源氏は次第に疎ましく思うようになる。
そんなある日、源氏は従者の惟光の実家へ赴いて、病にかかった彼の母の見舞いをする。
その折に惟光の家の隣家に咲く夕顔の花に興味を示した源氏は、家臣に花をもらいに行かせる。
ところが、意外なことに夕顔の花には歌が書かれた扇が添えられていた。
これを面白く思った源氏は、ただの女ではないと思ってその女に会いに行くと、そこには主人を守ろうと一生懸命な女房と、幼い子供がいて、貧しいながらも幸せな家族の姿があった。
家族を思う彼女に心を打たれた源氏は、女主人の夕顔に迫ろうとするが……。
・末摘花編
光源氏は、ある夜、側仕えの大輔の命婦から変わった姫様の話をされる。大輔の友達だというその少女は、もともとは高い身分であったにもかかわらず、家が貧乏で、辛い暮らしをしているのだった。名を、末摘花という。光源氏はその話を聞いて相手を美人だと勘違いし、なんとか助けることはできないかと考える。
大輔は言う。
「引きこもりだけど会ってみます?」
「おもしろそうだ。会おう」
こうして光源氏は春の夜、宮家へと車を出す。
一方そのころ少女は嘆いていた。自分の友人である大輔の命婦が、全然会いに来てくれないのである。
「大輔ちゃんが、私のことをかまってくれない……許せない、絶対に源氏様から取り返してみせます!」
少女は百合だった。
お互いに勘違いしたまま二人は出会う。お互いの思惑がありながら、天然でぼけぼけな末摘花によって話はドタバタ方向へ。すれ違っていたもの同士がつむぐ奇妙な恋愛。ドジで天然で引っ込み思案な末摘花と、それを明るく引っ張る大輔の命婦。二人を横から支えるしっかり者の侍従。仲の良い三人が、光源氏も巻き込んでコミカルな日常を紡いでいく。
原作一番の喜劇といわれる『末摘花』を読みやすく仕上げました。のんびりお茶とともにどうぞ。
・きのみかけ編
空蝉の巻の外伝ストーリー。空蝉や小君の住む屋敷・紀伊守家(きのかみけ)を舞台に繰り広げられるドタバタコメディ。ある日空蝉に呼び出された源氏は、突然窃盗罪で犯人扱いされる。「それでも僕はやっていない」。必死に冤罪を主張する源氏だったがきのかみけの罠に次第に巻き込まれていき……。
空蝉・小君姉妹、姉御肌で同居人の荻、居候的メイドさんの澪ちゃん、暇になると現れる左馬・式部のバカコンビ、謎の馬むけぞう、正体不明の紳士サンジェルマンなど、圧倒的多数キャラクター達が巻き起こすファンディスク的ほのぼのハートフルコメディ。
※一部SF・ミステリー要素および多数のメタ・ベタ・ネタを含んでおります。